026.旧回顧橋
所在 栃木県那須塩原市
竣工 不詳
撮影 平成18年12月
地図 ココ
備考 現在は車両通行止。銘板なし。
年末となり、新聞紙上などでも今年を回顧する記事が散見されるようになってきた。
そこで、回顧橋。
先日那須へ行ったときの帰りに立ち寄った。
旧道は崖の上を走り、そこからの眺めはとてもきれいだ。
橋上の道幅はとても狭く、当時の山道なんてどこもそうだったんだろうけど、現役時代はドライバーは結構怖かったんじゃないかと想像する。ちなみにすぐそばの現道の回顧トンネルと現回顧橋は昭和53年の竣工で、それまでこの旧回顧橋が使われていたことになる。
。
後でネットでさっと調べてみると、尾崎紅葉が『金色夜叉』の中で「回顧橋」に触れているそうだ。で、その「回顧橋」をココの「回顧の吊橋」(上の写真にも小さく写っている)と紹介しているものも多いが、どうだろう。
「回顧の吊橋」は昭和62年竣工との記事もあり、それ以前にも古いものが架けられていた可能性もあるが、吊橋=古いもの、でもないから、案外こっちのR400旧道の方の旧回顧橋が『金色夜叉』に記述のある「回顧橋」なんじゃないのかと思う。
でも、尾崎紅葉にはほとんど興味がないし、これらの云々も全て帰宅後知ったことで、現地では「あ、古い橋だ、やったー」くらいのもので、僕にとっては「古い橋」であることの方が重要なんだから、どうでもいいっちゃあどうでもいい。
ところで、どうでもいいっちゃあどうでもいいと言いながらなお書くが、上記の『金色夜叉』の「回顧橋」云々の件は、全く根拠がなくもない。
というのは、ネットで回顧橋を調べるうちに、貴重な画像を見つけてしまったのだ。
これ。
恐らく昭和初期頃の絵葉書だろうか。似たようなアングルから撮った今回の写真と並べてみると、同じ橋であることがわかる。
こういう名所の絵葉書は、新潟で歴史資料整理のバイトをしてた頃、新潟市内のものをいやというほど見てきたが、当時は全国各地の名所の絵葉書が流行していた(まあ今もあるか)ので、今も多く残っている。
で、この絵葉書には「ここは塩原山中絶景第一の称ある回顧橋でございます」との御丁寧な解説文が記されている(ちなみに橋上のバスは加筆された絵)。
要するに、当時から絶景の観光名所として有名だったようなので、やはり紅葉もこちらを知っていたか訪れたかで、書いたんじゃないかなーと。
あー、でも紅葉は江戸末期生まれで明治期に死んでいるから、さすがに当時はこの鉄筋の橋はないか…。じゃあ、旧旧回顧橋が架かっていた?それともやっぱ吊橋の方??
うーん…やっぱよく判んないな。
まあ、今回は当時の写真も見つけられた貴重な旧橋の紹介ということで…。
回顧橋について詳しい情報をお持ちの方、情報お待ちしています。
実はこの回顧橋について調べる過程で、僕にとってこの回顧橋の絵葉書よりさらに重要な橋の写真が写った絵葉書を発見をしてしまったのだ!
…それはまた次回(まあ、あくまでも僕にとって重要なだけなんですけどね)。
◇絵葉書の画像は、土木学会付属土木図書館の土木デジタルアーカイブスに掲載の画像を、土木学会付属土木図書館の許可を得て転載しました。無断転載は御遠慮下さい。
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